スターバックスあるいはプラハ的冬の飲み物 První Starbucks v Praze aneb pražské zimní nápoje

スタバのプラハ・マグカップ


比較的寒さが和らいでいるプラハ、ダウンジャケット以外のコートも着られるようになり、ちょっと嬉しい今日この頃。日中気温が10度を上回った本日、めでたくも待望のスターバックスプラハ第1号店がオープンしました。

いやはや、もう前々から新聞やテレビでけっこうな話題になっておりました。犬も歩けばスタバにあたる日本のみなさまからしてみれば、何をいまさら、でしょうが、プラハ的には、そのなんというか苦節19年、やっと資本主義が板に付いてきた、という象徴のような気がしてしまって。

だって日本のどこかでオープンしても、もうその場にプロのカメラマンさんとかいないでしょ?

日本では取り立ててスタバファンじゃなかった私もおいしいコーヒーを求めていざ入店。シアトルでの研修もしてるらしい、と噂だったので「サービスもちゃんとスタバなんでしょうね?」という、ちょっと小姑根性で様子を見に行ったわけです。案の定、長い列。とそこへ…

ショコラのサービスが! しかもナイス・スマイル付き〜。いやぁ、驚きました。本気出せばそんな楽しそうな笑顔ができるんじゃないっ。


ピカピカのガラスケースの中には、サンドイッチやケーキ、クッキーなどが美しく並んでいます。

今日は食べなかったけど、ブルーベリーのヨーグルト(55kč、約350円)が美味しそう。

そしていよいよ注文の番がまわってきました。

カウンターの向こうでテキパキ働くのは、なぜかみなさんハンサム揃い。カフェ・ラテの一番小さいの、と頼んで(でも商品名は“Tall"で75kč→約470円也)お金を出そうとするも、お兄さんから「クリスチャンネームは何て言うの?」と聞かれるではありませんか。

目をじっと覗き込んで聞かれたのでドキドキしてしまいました〜(バカ)。なんてことはない、おそるおそるスペルを告げるとマジックでコップに書き書きしています。そうです、間違わないための予防策というわけ。へぇ、ちゃんとしてる!!とまた驚き。

チェコ共和国ネーム入りオリジナルタンブラー。

さて肝心の場所ですが、マラーストラナ(小地区、Malá Strana)の中心地、マラーストラナ広場(Malostranské náměstí)のトラム停留所真ん前にあります。

路面店ですが、地下フロアもあります。

この地下フロアへ降りるところに、ひそかにこんな写真と、元々の建物の壁の一部が残されています。

古い建物の歴史を大事にするチェコ、改築しても一部をオリジナルで見せたりする粋な計らいを度々目にします。


すぐ後ろは聖ミクラーシュ教会の大きなドーム。

で、2号店はどこになる予定かというと…

去年の10月末に共和国広場にこちらも鳴り物入りでお目見えした中欧屈指の規模を誇る、新しいショッピングセンター、パラディウム(Palladium)の中。
地下1Fのこのガラス張りの、そんなに広くないカフェがスタバに変わる(2月末オープン予定)とのこと。

ちなみにこのショッピングセンターの場所、元々は修道院、その後は軍隊駐屯所として長く使われていました。目を引く派手なピンク色の建物ですが、これでも昔の建物にわりと忠実に再現しています。

そしてこのパラディウムの入口では、こんなデスクが目にとまります。この軍隊駐屯所に勤めつつ、有名な劇作家でもあったヨゼフ・カイェタン・ティルがここで書いた戯曲から、現在のチェコ国歌『我が家(祖国)はいずこ』(Kde domov můj?)が生まれました。

チェコの普通の人たちにとって決して安くないスタバですが(75kčといえば、安いレストランでランチが食べられる値段)、プラハは外国人も多いし、実際今日の限られた時間の店内からチェコ語じゃない言葉のほうが多く聞こえた気がしたので、こうした在住外国人、旅行者に支えられて着実に増えていくものと思われます。

スタバにコーヒー買いに行けて便利になったけど、ちょっと煙たいプラハのカフェも捨てがたい。

劇場付属のカフェとか、サービスの良し悪しは運任せだけど、その放置っぷりだとか常連さんの醸しだす雰囲気だとか、お芝居の非日常体験がカフェにまで染み出てきてるような心地よさがなんとなくあって。。。ミルク付きエスプレッソ(Espresso s mlekem)には、たいてい小さなクッキーがついてきます。

ラム酒のお湯割りにレモンをたっぷり絞っていただくグロッグ(Grog)は、風邪気味のときによくチェコ人が飲んでるもの。私は風邪じゃなくても寒いときよく注文します。

スヴァジャーク(svařák)こと、ホットワインはクリスマスマーケットが終わっても、普通にカフェの定番メニュー。


サービスがよくないとよく聞くけど、やっぱり好きなカフェ・スラヴィア(Kavárna Slavia)。すいてる朝食タイムが断然おすすめです。写真はマッシュルーム入りオムレツ。チェコのきのこはいけます。

ビールは年がら年中飲んでる国ですが。。。ルツェルナ・パラーツ内にあるここは、テーブルでセルフサービスで注げるビアホール。最初は泡だらけになってしまうものの、なかなか注文に来ないイライラを感じずに済むスグレモノ。


でも今冬一番私がハマってるのは友達から教えてもらったアルジェリア・コーヒー(Alžírská káva、アルジールスカー・カーヴァ)。たっぷりの生クリームに卵のリキュールがかかっていて美味しい♪ いろいろ試したなかで、いつ行っても混んでるのが玉にキズだけどトラフィカのが一番お気に入り。