みんな大好きクルテク

クルテクとベヘロフカ



チェコは小国ながらアニメ大国として知られています。最近は日本でもイジートルンカカレル・ゼマンヤン・シュヴァンクマイエルなどの映画特集をあちこちでやっていますよね。映画はこっちにいるよりも多くやってるんじゃないかと思うぐらい。DVDもかなりのものが手に入ります。そしてキャラものの代表といえば文句なしでクルテク!ですね。ちょっとオバQ似(笑)の黒いもぐらくん。街でクルテクグッズを見かけることも増えました。
私がプラハにきて初めてクルテクの映画を見たのがキノ・アエロという映画館。ロードショーものもかかる古い名画座のひとつで毎土日の15:30から子供のためのプログラムがあり、チェコ・アニメファンには垂涎もののラインナップが揃っています。http://www.kinoaero.cz/
とある日曜日、私もチェコの子供たちに紛れて「クルテクと傘」「クルテクと卵」「クルテクとマッチ」「クルテクとカーニバル」「クルテクと化学」「クルテクと薬」の六本立てを楽しみました。絵本でしか読んだことがなかったので初の大画面で動くクルテクのかわいらしさにすっかり心を奪われました。
今回見たプログラムは70年代に作られたものなのにちっとも古臭くない。説教臭くもないのだけど、泣いたり笑ったりする愛らしいクルテクと別れたあとは少し考えさせられることも。
以来、ウチに増殖中のクルテクグッズの一部…。

作者のズデニェック・ミレル監督は、「ディズニーなど他で使われていない動物でキャラクターを作ろうと考えた」そう。クルテク(Krtek)はチェコ語でもぐらそのもの。だから映画館では親しみをこめてクルテチェック(krtecek)とかわいく呼んでいます。ズデニェック・ミレル監督について書かれたサイトhttp://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=5443

プラハの街中ではあまり見かけないけれど、ちょっと郊外の別荘のお庭を見てみると、ところどころ土がこんもり盛り上がってるところに気がつきます。これは本物のもぐら“クルテク”のしわざ。週末は別荘でガーデニング、という休暇の過ごし方の多いチェコ人には“クルテク”はあまりありがたくない存在のようですが、もちろん子供たちに大人気のクルテチェックのかかる日は映画館は親子連れで賑わいます。
入場料は大人も子供も40コルナ(や、安い)。お父さんと連れ立ってやってきた3〜4歳ぐらいの男の子、「パパは外で待ってるからね」と館内に置き去り!そう、パパは映画館付属のホスポダ(居酒屋)で映画の間一杯やってるというワケ。よくできたシステムです。子供も慣れてるらしく(笑)お行儀よく一人で腰掛け、ところどころ声を出して笑って楽しんでいます。車が出てくると、「Mamo! Auta!」と隣のお母さんに話しかける子供。…こんな小さいくせにちゃんと複数形を使ってる〜(一台だけだとAutoになる)と感心することしきり。クルテクだけじゃなく、それを見てるチェコの子供たちもかわいい。
そんなチェコの子供たちが毎晩7時に見てる番組があります。今年40周年記念のヴェチェルニーチェック(vecernicek)というCT1(チェスカー・テレビゼ1)のアニメ枠。直訳すると“夕刊ちゃん”。夕刊を折って帽子にしたのをかぶった男の子が番組を届け続けて40年。クルテクもここで放送されました。http://www.czech-tv.cz/specialy/vecernicek40/galerie.html
クルテク以外にも、まだまだ知られていない面白いものがありそう。旦那が小さいころ好きだったというキャラクターものをふたつ。

  • アリのフェルダ (Ferda Mravenec)

http://images.google.co.jp/images?svnum=10&hl=ja&lr=&rls=SNYA%2CSNYA%3A2004-33%2CSNYA%3Aja&q=ferdamravenec
このオンジェイ・セコラ(Ondrej SEKORA)原作の絵本をヘルミーナ・ティールロヴァー(Hermina TYRLOVA)監督が1942年にコマ撮り(労作!)で作っています。

  • ルンツァイス (Rumcajs)

http://images.google.co.jp/images?q=rumcajs&hl=ja&lr=&rls=SNYA,SNYA:2004-33,SNYA:ja&sa=N&tab=wi
泥棒キャラです。
おみやげに絵本でしたら街中あちこちにある(特にヴァーツラフ広場周辺に多い)本屋さんで英語版も買えます。もっともクルテクに関してはかなりの日本語版があるのですけど。。。  クルテク公式サイト http://www.krtek.jp
クルテクのぬいぐるみやTシャツ、マグカップなどのグッズやチェコのほかのキャラクターもの、子供のためのおもちゃなどはエステート劇場とナ・プシーコピェ通りの間のハヴィーシュカ(havirska)通りにある“Sparky(スパーキィ)”というお店が種類が揃っていておすすめ。http://www.sparkys.cz