南モラヴィア旅行

最近の新聞から

秋の週末を利用して、1泊2日で南モラヴィアのお城とワインセラーを訪ねるバス旅行に出かけました。早朝6時に集合、例によってめいっぱい食べ物、飲み物、お菓子などを持ち込んでいるプラハの人たちにならってハンバーガーを作り、いざ出発。ガイドさんもいてチェコ語オンリーですが、気が向くと通訳してくれる(苦笑)旦那の説明つきなのでそれなりに楽しめます。
まずはヤロムニェジツェ・ナッド・ロキトノウ(Jaroměřice nad Rokytnou)という街のお城を訪ねました。ここはブルノから西に50キロぐらい、ユダヤ人街の世界遺産で有名なトシェヴィーチ(Třebíč)から少し南へいった、ロキトナ(Rokytna)川のほとりにあるお城で有名な街。広場にはオロモウツのほど有名じゃないですが聖三位一体の碑が。

お城は残念ながら撮影NGでしたが、こじんまりとしてとてもロマンチックなお城。すぐそばの聖マルケータ教会の天井が素晴らしかったので1枚。

次にモラフスケー・ブディェヨヴィツェのお城へ。この日はとてもいいお天気で、お城へ行く途中、結婚式に遭遇。お祝いの青空楽団と昼間っからできあがってる嬉しそうな面持ちの(後ろ向きですが…)おじさん。

さらにバスは南に下り、もうオーストリアとの国境近く、ビートフ(Bítov)という街へ。ここのお城の持ち主はかなり変わった人だったらしく、城内にはおびただしい小動物、鳥類などの剥製コレクションがあって圧巻。はてはこんなフロアまで。。。

精巧に作られてはいますが、どこか不自然な犬、犬、犬…。いっせいにこっちを見ている目が悲しいです。
この日は近くのダムのほとりにある小さなホテルに泊まりました。周りは別荘地になっていて、数軒レストランもあり、久々に魚(マスのフライ)料理をいただきました。
翌日は30分で朝食を食べ、8時にすぐ出発。団体行動としては無理のある旅程と朝ごはんのあまりの簡素さにガイドさんに文句を言う客のひとり。ガイドさんも「こっちも聞いてない。40コルナにしては質素すぎる」と同じように文句をいい、日本人のようにとりあえず謝ったりはゼッタイしません(笑)。でもなんとか全員揃って、ヴラノフ・ナッド・ディイー(Vranov nad Dyjí)のお城へ。

急な螺旋階段の塔を登ると、おとぎ話に出てくるような景色が。

それから最後の目的地、ズノイモ(Znojmo)へ。地元のビール、ホスタン(Hostan)の醸造所の入口。この敷地奥にお城があります。

ビール生産は高い利益をもたらしたので、昔から権力者に管理されていた、とどこかの本で読みましたが、なるほどという立地です。

ここのお城には、心無い違法の狩猟などで傷ついた猛禽類、大型鳥類の小さな動物園があります。まだ痛々しいのもいますが、囲いもなく(ヒモでつながれてはいますが)、間近でエサを食べているところなどを見られるので子供たちにも人気。
お城に飾っていたアンティークのコーヒーカップ

お城付属の修道院、ロウツキー・クラーシュテル(Loucky Klaster)は真っ白な壁と重厚な木の祭壇のコントラストが美しい、プラハのストラホフ修道院と同系列の修道院です。

ここの地下は17世紀、スウェーデンの軍隊が攻めてきたとき(30年戦争)防空壕としても利用されたワインセラー

スライド設備もある本格的なワイン博物館になっていて説明を聞きながら見学。ワインの保存に最適な温度は15度とのこと。床からちょうど20本分の瓶を寝かせて積み上げてあり、この状態が一番ベストなのだとか。大きい樽に入れておくより味が良いそう。長年の経験の賜物です。敷地内にはワインショップもあります。結婚式やちょっとしたパーティができる広間も。そこに飾ってあった19世紀末のアンティークガラスと黄金に輝くカップの食器がため息が出る美しさだったので1枚。

ここで待ってましたのデギュスタシオン(試飲)! これはフランス語ですが、チェコ語でもデグスタツェ(Degustace)。イギリスのエリザベス女王御用達だという1本を含むズノイモ自慢の白3本、フランス人の団体からも褒められたという赤1本の計4本を説明をうけながら次々空けていきます。

“さくら”の味がする、という白がとてもおいしかったのだけど、旦那は「香水みたい」とあまりお気に召さない様子。ひとによっても味覚はだいぶ違うようですが、「最初はイチゴの香り、次にコプシヴァ(薬草の一種)、後味は…」ともうソムリエ・ワールドに。。。
味や香りを表す果物や植物の一例だけでこんなにあります。

菩提樹の葉、前出のコプシヴァ、黒すぐりの実、刈られた芝生(!)、マスカット、桃、アスパラガス、グリーンピース、バター、バナナ、レモン、パイナップルなどなど。きっとこの土地ならではの表現もあるのでしょう。
ほろ酔い気分でバスに揺られ、22時過ぎにプラハに到着。次回は団体旅行じゃなくゆっくりワイン収穫祭(冒頭右上写真。“君が2重に見える…”という駄ジャレタイトル付き)を見てみたいな。。。