プラハ城まわりの紅葉と郊外の秋の散歩

紅葉は黄色が中心


学校中心の生活になって日記をなかなか更新しないうちにプラハはすっかり秋になりました。秋、といっても朝晩の冷え込みは厳しく、朝は霜が降りているし、コートはもう日本の真冬のコートでちょうどいい感じです。
プラハ城の西に広がるペトシーン(Petřín)の丘もすっかり秋化粧。

毎週水曜日の午後は、「文化プログラム」なるものがあって、希望者は無料で参加できる国立図書館クレメンティーヌ内)の見学、先週はプラハ城とその周りの建物の見学に行きました。プラハ城は何度も来ているのですが、先生があれこれ英語で(!)説明してくれるので知らなかったことがわかり、興味深いのです。トラム22,23番の停車駅、ポホジェレッツ(Pohořelec)で待ち合わせして、ロレタンスカー通りをひときわ巨大な外務省の建物の前、ロレッタ広場(Loretanské náměstí)まで歩きます。
17世紀に建てられたチェルニーン伯爵のものだったのでチェルニーン宮殿と呼ばれるこのバロックの建物は、その後時代によってさまざまな持ち主にわたり、病院、兵舎、1918年のチェコスロヴァキア共和国建国時の政府が置かれたところ、そしてナチス時代には「保護領」の本部として使われたという歴史の生き証人みたいな建物です。現在は外務省として使われています。

毎定時には外務省の前にあるロレッタ教会の可憐な鐘の音を聞くことができます。私たちの学校のすぐそばにも教会があって毎正午、鐘の音を聞くのがひそかな楽しみなのですが、ここロレッタの鐘の音は担任の先生一押し。メロディアスです。

ロレッタ教会のそば、ウーヴォス(úvoz)通りで見つけたツタの紅葉。

もう6時近くになると暗くなるので光が弱く、鮮やかな赤がよく出ていませんが塀沿いの紅葉と眼下に見えるプラハの町並み。

帰りは何人かで近くの居酒屋でコゼル(kozel)を一杯やって帰宅の途に。
その週末、旦那の友人の別荘があるスラッピー(slapy)という郊外へ遊びに行きました。ヴルタヴァ川沿いに南へ数十キロさかのぼったダムのほとり。
プラハに住む70〜80%のひとたちはハタ(chata)と呼ばれる別荘を持っていて、大雪でも降らないかぎり、ほぼ1年中毎週末をこのハタで家族と(またはハタ近所のお友達)と過ごします。だから金曜の夕方プラハから郊外へ向かう道路はいつも混んでいます。金曜だけ閉店が早い店や会社(!)が多いのもこのためか。

別荘から黄色い落ち葉を敷き詰めた林の小道を抜けてダムまでお散歩。日本のようには赤くならず、こちらの紅葉は黄色が中心。夏は泳げたダムも、今はつりの人がちらほらいるだけ。

その後はやっぱりホスポダ(居酒屋)へ。チェコは別荘地だろうが住宅街だろうがホスポダは必ずあるんですねぇ。

チーズの伊達巻みたいなおつまみとザワークラウト添えソーセージを頼んで一杯。

…別にプラハにいるのと変わらない感じがしないでもないけど、大体こうして週末を過ごしているプラハの人たち。このハタで過ごす習慣、共産党政権時代に自由に外国に行けなかったから、とか店であまり手にはいらない野菜や果物を栽培するために広まったとも言われていますが、普段プラハのアパート暮らしだとお庭がないので、庭いじりが大好きなチェコ人には体制ウンヌンではないのかも。
旦那は「毎回同じとこに行くのは飽きる」と自分で別荘を持つことには興味はないようですが、しょっちゅう友人の別荘を訪れています(笑)。別荘をもってない人でも、友人や親戚、家族が持っているハタにお邪魔している人を含めればかなりのチェコ人がこうして週末を過ごしているのでしょう。どこの庭にも植えられているりんごがちょうど食べごろです。