チェコのクリスマス“Vánoce(ヴァーノツェ)”のあれこれ ★アドヴェント篇★

stromeček

秋から更新をサボっている間にあっという間にクリスマスになってしまいました。皆様すみません。学校も休みに入り、ひと段落しましたのでその間ためてたクリスマス関連の写真を一挙大公開(…)。
まずは1ヶ月前から“advent”という言葉をよく聞くようになります。クリスマスからさかのぼって4週前の日曜日からクリスマスまでの期間。“待降節”と訳されるようですが、簡単に言えばキリストの誕生を待つ期間、という意味。英語圏もそうだし、ウチのクラスのノルウェー人も同じ言葉と言ってたから、アルファベット使用地域では大体この言葉を使ってるんでしょう。
今年は11月27日の日曜日が初日だったんですが、その頃街で花屋さんでそしてチェコ人のお宅でよく見かけるのがこれ。

アドヴェントニー・ヴィエネッツ(adventní věnec)と呼ばれるリース。でも壁にかけるんじゃなくて水平に置きます。いろんなデザインがあって飾りも千差万別で楽しい。でも必ずあるのが4つのろうそく。毎週日曜日にひとつずつ灯すからなんです。

でも注意! 各ろうそくの下には必ず受け皿を付けましょう。クラスでもこれを先生が作ってくれたんですが、授業中あわや火事騒ぎとなるところでした。花瓶の水で対処しましたけど。。。
完成品も売っているし、花屋でパーツで買って、好きなように自分で作ることもできます。上記のは教えてもらって作ってみたやつです。材料はリボン、ろうそくのほか、果物を乾燥させたものやまつぼっくり、くるみの殻などなどお好みで。

小さい乾燥パイナップルみたいなのはケシの実。

赤い実はシーペック(sípek)といって甘酸っぱいお茶が楽しめる実です。

さくらんぼみたいだけど小さい姫りんご。森に落ちてたそうです。とてもかわいらしい。

そしてアドヴェントカレンダーも様々なものが出回ります。わたしのはやっぱりこれ。

日付の扉を開けるとチョコレートがひとつ顔を出すしくみ。でもこのチョコがむやみにおいしく、すっかりアドヴェントの始めに食べつくしてしまった(つまり日付を無視)話をしたらクラスで笑いものに。。。
ろうそくにしろカレンダーにしろ、キリストの誕生を心待ちにする、という神聖な意味からきた習慣なんでしょうけれど。先生は「私はクリスチャンじゃないからこのリースも家にはないの」と言っていましたっけ。私のように信仰に関係なくイヴェントとして用意する人もいます。
そして何と言ってもこの時期、チェコの主婦、いいえ女性のみなさんがせっせと作るのが、クリスマスのクッキー。ツクロヴィ(cukrovi)といいます。もっとも共働きの家庭が増えている昨今では完成品を求める人も多いんだそう。それでもこの時期、デパートやスーパーの製菓コーナーは型抜きやケーキ型を買い求める女性たちで混雑します。

右は私が作ったもの、左はおばさんやら近所の方などからお裾分け頂いたもの。歴然とその差がわかるのが中央下の“ヴァニルコヴェー・ロフリチキィ(vanilkové rohličky)"という名前のクッキー。ロフリーク(rohlík)というパンを小さくしたような形…になるはずが、生地を寝かさなかったからかオーヴンの温度が低かったかで全くかわいらしくない形に。「味はおいしいわよ」と一緒に作った義母は慰めてくれたものの、一瞬吹き出していましたし、ね。
学校(カレル大学のチェコ語通年コース)でもこの時期、けっこうしつこくクリスマスソングを習ったり、クリスマスの習慣などについて5〜6時間ぐらいかけて教えてくれます。

胡桃の殻1個分で作った素朴なろうそくたてに細いろうそくを各自灯しながらの授業。といってもワインや果物、クッキーがあってクリスマスの雰囲気を味わいながら。

水を張ったところに胡桃の殻ろうそくたてと共に火を灯したろうそくを浮かべ、長く浮かんでいると長生きするだとか、勢いよくこの胡桃船が漕ぎ出すと世界に出て行って活躍する、だとかの“胡桃占い”をしているところ。あっという間に沈没してしまったのもあり。でも占いというより、いかにバランスよく軽く作成するかの問題の気がします。

そして“りんご占い”というのも。りんごを水平に半分に切って、種のところがきれいな星型だと来年はよい年だとか。ひとりずつ試します。怖がってあまり気が進まない子には「チェコのりんごの95パーセントぐらいはこうして切るときれいな星型になるんだから」とささやくマルシュカ先生(写真後方)。いつもユニークでひきこまれる授業で本当に素晴らしい先生です。この人に会えただけでもこの学校にきた甲斐があったと思えるぐらい。

長くなるので“その2”として次回にクリスマス料理について書きます。
ひとまず"Hezké Vánoce!"(ヘスケー・ヴァーノツェ!)(=よいクリスマスを!)