抜き打ちチェコ語テスト

好きな量だけ買えるのが◎


外国に行くと、そこの市場をのぞくのが楽しみ、という方は多いと思います。私もそのひとり。地元のスーパーマーケットも楽しいのですが、スーパーよりも新鮮な野菜や果物が手に入り、お店の人との交流ができて、ちょっと飲んだり食べたりもできる市場は生活するものにとっても欠かせない場所。

プラハにも地下鉄駅のそばを中心にこうした野菜や果物の市場があり、大きいところでは安い衣料品やアクセサリー、靴、バッグ、お土産品や生活必需品など様々なものが売られています。

チェコのこうした市場で働いているのは圧倒的にヴェトナム人が多いのですが、先日、ブルノ(Brno=チェコプラハの次に大きい都市)の市場で抜き打ちチェコ語テストが敢行され、店の人の大半がチェコ語を解さないことが判明し、罰金を払わせた(!)との新聞の記事を目にしました。これ(チェコ語ですが…)がその問題の記事↓
http://www.novinky.cz/domaci/asijsti-prodejci-propadli-v-cestine_90033_rc56c.html
どんなテストなのかと思いきや、いくつか基本的なチェコ語での質疑応答の会話をした後、新聞や雑誌の記事を読ませ、その内容を語らせるというもの。23人に試し、そのうち15人が“チェコ語ができない”判定をされたんだとか。
なぜこんなことが起こるかというと、チェコの商業登記を扱う役所で外国企業またはお店の場合、オーナーか従業員かは問わないけれどその場に最低一人はチェコ語ができるひとが働いていることを条件にしているから。
私が日常よく行く八百屋さんや中華料理屋さんの中国人やヴェトナム人たちは文法はめちゃくちゃながらも(これはこっちも人のことは言えず)買物するのに不自由なチェコ語では少なくともない。そのテストがどんな難易度の文章だったのかは書かれていないのでわからないけれど、随分意地悪な、と正直思いました。
旦那に話すと、「じゃあ外国に行ってるチェコ人にその現地語のテストをさせてみたらいいよね」と言っていました。これはやっぱりアジア人差別から来てることもあるよね?と聞くと、あると思う、とのこと。
長くプラハに住んでいる白人でチェコ語は挨拶程度、コミュニケーションは英語で、っていう人に何人もあったけれど、行政からこんな目にあった話は聞いたことがないし。。。でも長期ビザの申請をするときに出向かなければならない外国人警察ではその英語すら通じない(あろうことか“外国人”警察を名乗っているくせして営業時間などの案内も何もかも全てチェコ語オンリー!)ので、この被害にはプラハにいる外国人は多かれ少なかれ受けているようす。
残念ながら外国人差別、特に異人種に対する差別は時々感じるし、見聞きもします。でもそれは多分日本でも同じだし、フランスでもそうだったから特にチェコ特有の問題、とは思わないのだけど、チェコ語の知識、チェコの文化に対する興味がそれらを取り除く手段になりうることもまた確かだと思います。
チェコ人にないメンタリティで朝から晩まで小さい屋台でよく働き、いつの間にかお金持ちになって歴史的な建物のオーナーになっていたり、自分たちの不動産が買われたりする現象がある一方で、英語はおろかチェコ語も通じず、カレル4世って誰?みたいな文化に対する無関心さがあらゆる階層のチェコ人たちの神経を逆撫でしていることも理解できなくはないので。。。