楽しい本漁り、「安い本」屋さんにて。

ティッシュやトイレットペーパーなどの紙製品は断然、日本のほうが高品質で安いのですが(今となっては日本の街場で配ってくれるティッシュは夢みたい…笑)、本の品質は紙質や印刷技術も含めて昔から定評のあるチェコ。子供のための本などは特に挿絵が素晴らしかったりして、古本屋巡りを始めたらハマりそう。
でも近年は、千野先生が『ビールと古本のプラハ』の中で嘆いておられたように資本主義とインフレと観光化の波に押されてプラハの中心からよい古本屋さんが追いやられる傾向にあるよう。そういえば私が来た時はまだあったカレル橋のすぐそばの古本屋さんはいつの間にかジュエリー・ショップになってしまったし。。。
本の値段自体も4、5年前に比べてはっきりわかるぐらい高くなりましたが、その名も直球な、Levné knihy(レヴネー・クニヒ=安い本)というチェーン店があります。本の値段なのに、スーパーみたいに29kčとか99kčとかいう値段なんです。それでもなかなか面白い本も出していて、ときどきのぞきます。
最近ここで手に入れた本を紹介。

一番左は『善良な兵士ジュヴェイクの冒険』のヨゼフ・ラダの挿絵を中心に編集しなおされた、いわばダイジェスト版なのですが300ページ以上もある分厚い本で、チェコ語がわからなくても挿絵だけでお腹いっぱいになれます。79kč(約400円)は確かに安い!重いのを我慢できるならチェコらしいお土産にもなりそう。

そして真ん中、これは本当に最近出された本で、プラハ中のホスポダ(居酒屋)についての地図と詳細なコメントが読ませます。こないだ偶然学校の先生と友人に出くわした(ついでに一緒に飲むことに…)とある小地区のホスポダも、ガイドブックでは見たことなかったけれど、ここにはちゃんと登場していました。
それによると、場所柄議員が多く、政治の話をよくしている、ですって。うーん、政治の話はどこでもしていると思うのだけど、この編者がユーミン伝説のごとく(?)隣のテーブルの会話をこっそり聞いたりしてたのかしら、と想像すると面白い。店の歴史からおすすめメニュー、客層にまでコメントしていて、なかなかいい本だと思います。のん兵衛のチェコ語学習者(…がどうも多い)には何が書いてあるか知りたくて、つい勉強してしまうよい教科書となることうけあい。99kč。
一番右は、チェコ語版手紙の書き方、の本。旅の予約などチェコ人にメールを書きたいときなどにも重宝しそう。仕事に使うにも十分耐える内容なのに29kč(約150円)はお買得。

そして、屏風のようなこの絵本。

この形でいろんなお話が選べます。“koblížek"はチェコ人が朝ごはんとしてよく買っているのを見かける“ドーナツくん”のお話。森のあるところにおばあさんとおじいさんが住んでいて、ある日おじいさんが「すごくお腹がへったよ」と言うので、おばあさんがドーナツを作ってあげるんですが。。。窓のところで冷ましてるうちに、食べられたくないドーナツくんが逃げ出すという、おむすびころりんみたいな話。29kč。

レヴネー・クニヒ http://www.levneknihy.cz/