Eric Clapton's first live

サスカ・アリーナ

in Prague!

いわゆるクラシックのコンサートに限らず、プラハにはヨーロッパツアーの一環でいろんなロックのミュージシャンもやってきて、東京より人が少なかったりチケットが安かったりと嬉しいことが多いのですが、東京にはしょっちゅう来てる感のあるクラプトンはプラハには今まで来たことがありませんでした。何故だか知りませんが。。。

こないだの木曜日、その記念すべきプラハ初ライヴ(2005年のアルバム『Back Home』のヨーロッパツアー)に旦那とその友人とで行ってきました。

プラハでライヴを見るにあたっての諸問題
会場は郊外だけどウチからさほど遠くないプラハ8区、サスカ・アリーナ(Sazka Arena)という1万8千人キャパの大きなアリーナ。去年の春、ロバート・プラントのライヴに行って以来(ヤードバーズつながり?)。20時から開演なので30分前に友人が車で迎えに来てくれました。
こういうとき、大体その辺に路駐しても問題ないプラハですが(駐禁のところはもちろんダメ)、ギリギリに着いたせいか停める場所がすぐに見つからず、来客専用の駐車場(青空)へ。
入口で駐車代が300kč(=1500円ぐらい)と言われて、ビックリたまげた中年チェコ人ふたり、「冗談じゃない!」と無理やりUターンして結局ちょっと離れたところで無事路駐。まぁ確かに横浜中華街の駐車場とほぼ同じ値段なんて。。。インフレの結果なのか足元を見られているのか。
まだ問題は続きます。街場の小さなライヴハウスなどはレントゲンチェックなどもちろんないですが、ビッグネームが来る大きな会場だとまるで空港のようなチェック。東京も近頃こうなのか知りませんが、ペットボトルを持ち込めないのが納得いきません。入口に没収された様々なボトルが山積みされています。私もカバンの奥底に隠し持っていたんですが、レントゲンで発覚。
「この中、なにか飲み物入ってます?」「いーえ!」「いや、でも何かボトルがあるでしょ?」「いーえ、飲み物じゃなくってシャンプーですっ」(嘘)「……。」肩をすくめてもう勝手にすれば?と諦めた(テロリストだったらどうするんだろう…)入口のお兄さんは、じゃあ行って、とあごをしゃくり、強引にマイ・ペットボトル(中身は麦茶)を持ち込むアジア人の女…(私)。だってね、会場ではちまたの倍ぐらいで飲み物を買えるけれど砂糖が入ってない緑茶とかウーロン茶とかがないんですよ。それに買ったばかりのミネラルウォーターも持ってたし…。ま、書いといてなんですが決しておススメできませんし、このような大きなライヴに行かれる方はペットボトルは飲み干してから会場入りしましょう。
会場には、日本のように小さい懐中電灯を持って案内してくれる親切なお兄さんとかはいません。暗くなってから入ると、席にたどり着くまでがこれまた一苦労。チケットにある番号と全然違うところに座っちゃってる人も多いし。。。暗くならないうちに座るのが一番ですが、遅れてしまった場合はギリギリまで自分で頑張って探して(椅子の側面や背中の番号をたよりに)、それでもわからなかったら親切そうな人にチケットを見せて尋ねてみるのがいいです。自分の席に誰かがもう座っていたら、怒りをこらえ、さらっとチケットを見せて、これここでしょうか?と聞けば、あ、そうだねとどいてくれます。今までの経験だと彼らは他人の席に座ってる自覚があって本来の持ち主が目の前にやってきても、話しかけられない限り自分からはどきません(笑)。
さて我々が着いたときはもう前座のバンドが始めていましたが、大体1時間近くやるので、結局メインのアーティストが登場するのはいつも21時前後。終わるのも長いと真夜中近くになることもあるのでメトロやトラム、バスで帰る場合は時間をチェックしておくと安心。メトロは真夜中前後で終わりますが、トラムやバスは夜中でも1時間に2本ほど走っています(通常とは別ルート)。
コンサートのチケットについて
チケットは販売場所によっていろんなタイプがありますが、今回はレシートのちょっと大きいようなぺらぺらの紙。

映画や観劇、バレエ、その他スペクタクルに共通して使える言葉なので知ってるとちょっと安心なチケット情報のチェコ語をいくつか。
vstupenka(プストゥペンカ=チケット), vstup(プストゥップ=入口), řada(ジャダ=列), sedadlo(セダドゥロ=席番号), cena(ツェナ=値段), začátek(ザチャーテック=開演時間)。日付は、日/月/年の順で書かれます。大きいアリーナ会場等では東西南北の入口指定があります(東=východ, 西=západ, 南=jih, 北=sever)。

やっぱり素晴らしいギタリスト
前置きが長くなりました。クラプトンを最後に見たのはかなり昔、確か93年の武道館だったと思いますが、その頃から若干額は後退したかな、とはいうものの確かなピッチの声とこんなに魅力的に王道ギターリフを弾けるひとっているかしら?という印象は変わらず。
そしてメンバーはクラプトン入れてギター4人を含む大所帯だけど素晴らしいミュージシャンばかり。中でもロバート・クレイのギターソロには本当にうっとり。ストラップの長さと技術の高さは反比例する、という説を今のところけっこう信じてる私(笑)。彼も背中が曲がってるのはそのせい?と思うほどキツキツに詰めているのに体を結構揺らしながら表現豊かに奏でます。
初盤の“old love”で冒頭いきなり2コーラスぐらい、クラプトンに代わって彼がヴォーカルをとったのもびっくり。さらにその美声にうっとり!! クラプトンはというとバンドの一メンバーのように何事もなかったかのように溶け込んでいて、華があるんだかないんだか(笑)。いや、この余裕がそうなんでしょう。
アルバムBack Homeからの曲が続いた後、ワンダフル・トゥナイトのリフが聴こえるとおとなしかった観客にも少しざわめきが。そしてクラプトンはいくらおじさんになっても、この曲を歌うときはさわやかな(?)色気があります。
いとしのレイラ、コカイン、と盛り上げ、アンコールへ。初めてだったからなのか、驚くほど観客がおとなしくってアンコールやらないんじゃないかと心配しましたが、控えめなプラハ市民の拍手に答え再び登場、クロスロードでお開きに。
見たところ客層の年代はさまざま。かなり高いチケット(990kč〜1500kč)なのに一人で来てて、ずっとオペラグラスで手元を見てるっぽいギター小僧(→死語?)とおぼしき若者もちらほら。感慨深そうにしているおじさまたちが一番多かったでしょうか。クラプトンはプラハについて何も言わず、ひたすら曲の合間に“thank you!”としか言わなかったけど(笑)、それでも十分にギターで語った素晴らしい夜でした。
ソングリストはこちらから(英語)→http://www.whereseric.com/news/2006/07/eric-clapton-concert-20-july-2006-arena-prague-czech-republic.html