ヴォディチコヴァ通りのキュビズムの建物、崩れる!!

ウチからプラハの中心の広場、ヴァーツラフ広場までは歩いても40分ばかり、トラムなら30分もかからないのですが、今は途中から歩かないといけません。
どうしてって、こないだの日曜の朝に、ここからすぐのヴォディチコヴァ通りに面した修理中の建物のファサード(前面の壁)が突然崩れたからなんです。

ヴォディチコヴァ通り(Vodičkova)はヴァーツラフ広場を真ん中で横切る、たくさんのトラムが行き来する通り。学校があったときは毎日ここをトラムで通っていたし、何かと通る場所のひとつなのに、この暑い中を歩かないといけないなんて、まったくもって不便。
ハヴェル元大統領のお祖父さんが設計した有名なルツェルナビルもこの通り。これのほぼ向かいに問題の建物があります。

休みの朝だったからか、幸いにケガした人などはいなかったようですが、いったいどんなことになっちゃってるんだろうと近くに出掛けついでに見に行きました。


完全に車両は入れず、歩道も片側通行のみなので混んでいます。
どうして崩れたのか原因を調べてるって言うんですが…。単に古いせいなのか、原因がわからないのも怖いし、この先、修理中の建物の下を通るときイヤな汗をかきそう(ヤレヤレ)。

そしてこの建物、ただの建物ではありませんでした。

キュビズムの建築家としてもっとも重要な一人、ヨゼフ・ゴチャール(Josef GOČAR)が設計したキュビズム後期のロンドキュビズム様式のファサードを持つ由緒ある建物だったんです。旦那の小さい頃はあったという伝説的なケーキ屋さん(cukrárna)ウ・ミシャーカ(U myšáka)があったところ。
今まで何度も通っていたのに気がつかなかったのは、修理の幕でおおわれていたからか。なぜかキュビズム建築案内などの本を見ても載っていないし、旦那も知らなかったとのこと。旦那が読んでる新聞、Mladá Fronta Dnes(ムラダー・フロンタ・ドネス)にはゴチャールの設計、と書かれています。↓
http://zpravy.idnes.cz/mfdnes.asp?v=166&r=mfpraha&c=544154
よくこのファサードを見てみると、ゴチャールらしき特徴が。

彼がプラハで作った最も有名なキュビズム建築は、これ。

通称ブラック・マドンナ(1912年)。今はキュビズム博物館として使われており、キュビズム建築の傑作のひとつ。
そしてこれだったらもっと特徴がわかると思われる、やはり彼のロンドキュビズムの代表的な建物、チェコスロヴァキア・レジオン銀行(1922-23年)。今はČSOB(やはり銀行)が入っています。

ファサードの詳細を見ると、やはり似ています。

こちらのほうが有名なので、この崩壊騒ぎがなければヴォディチコヴァのほうはずっと知らずにいたかも、と思うと感謝すべき出来事なのかも。
トラム路線復旧の工事は今週いっぱいかかるとのこと。この時期プラハにいらっしゃる方々、トラム路線の変更にご注意ください。