チェコのクリスマス・ミサ Česká mše vánoční♪

近所のチェコ人たちで一杯。。。


チェコでは敬虔なクリスチャンでなくとも、クリスマス・イヴの真夜中に、お気に入りの教会へミサを聴きに行く、というのが定番。
今宵は近所の教会、聖アントニン教会(kostel sv. Antonína)にて一足先に、クリスマス・コンサートを聴きに行ってきました。

チェコのクリスマス・ミサで歌われるプログラムといえば、18〜19世紀に活躍したチェコ人作曲家のJakub Šimon Jan Ryba(1765-1815,通常、J.J.Rybaと省略して書かれることが多い)のミサ曲のものと相場が決まっております。

彼が31歳(1796年)のときに作られたこのミサ曲、初めて全編チェコ語テキストで書かれた記念すべき作品だそう(それまではラテン語チェコ語の混合)。キリエから始まる9つの歌から成っていて、40分ぐらいかかる大作。私の好きな歌は4番目の“Pospíchejme k Betlému”という曲。クリスマスらしいカデンツと重なるアーメンの言葉が、前半を盛り上げます。ベツレヘムへ急がなければ、という気持ち(?)にさせられます。7番目の“Pane země i nebe”という曲も、ソプラノの美しいカノンが耳に残ります。

そんなに大きな教会じゃないとはいえ、立ち見が出るほどの盛況ぶり。日本の初詣のような感覚といえばいいのか、季節の行事としてチェコ人のなかに定着している習慣なのでしょう。

美しい混声合唱に心洗われた後は、会場のみんなでチェコのクリスマス・ソングの定番のひとつ、“Narodil se Kristus Pán”を大合唱。子供の頃から歌い慣れているであろうチェコ人たちは歌詞をばっちり覚えています。私も去年のクリスマスに、カレル大学のチェコ語講座のクラスでさんざん歌ったのだけど、歌詞はサビのとこしか歌えない(笑)。でも一度聞いたら忘れられない美しいメロディ。
教室で習ったこういうチェコのクリスマスの歌(vánoční koledy=ヴァーノチニー・コレディ)の中では、“Vánoce přicházejí”や“Pašli ovce valaši”、“Půjdem spolu do Betléma”などがお気に入り。
MP3でいくつか定番を聞けるサイトを見つけました。
http://vanoce.vira.cz/index.php?a=koledy&s=koledy-ke-stazeni

ページを開けると流れてくるちょっとお洒落なコードのSilent Nightも、チェコ語版があります。チェコ語では“Tichá noc”(ティハー・ノッツ)と言って、静かな夜、の意味。


この時期、地元民の集まるカフェやホスポダでギターを囲んで、わいわいクリスマス・ソングを歌ってるチェコ人たちもよく見かけるけれど、何世紀にもわたって歌い継がれてきたミサ曲を聴くこんな静かな夜もまたひとつのクリスマス。。。

Veselé Vánoce!(=Merry Christmas!)