世界は音楽でできている

私のパリの象徴的建物、サクレ・クール


旅行の写真を整理しながら時系列に話をしようとしてもうまくいかず。。。なのでアット・ランダムに書くことに。
フランスは私にとって最初に行った外国にして留学先でもあったところなので、ちょっぴり思いいれが多いせいかも。

モンマルトルはパリに行くとなんだかフラフラと足が向かうところ。有名なシャンソニエ、跳ねうさぎこと、ラパン・アジールはずっとそこにあってほしいもののひとつ。観光客も多いわりにあんまりメジャーなシャンソン・ナンバーはやってない気がするけど、舞台と客席の境がわからない、独特の空間に浸れます。自家製のシェリー酒がおいしい。その前は小さな葡萄畑。そしてこの坂を通るといつもコラ・ヴォケール(Cora Vaucaire)の名曲『モンマルトルの丘』(La complainte de la butte)が浮かびます。♪En haut de la rue Saint-Vincent, un poete et une inconnu-e♪ …ベタでごめんなさい(笑)。 


うねった石畳のこのCortot通りには、モンマルトル博物館の並びにエリック・サティが住んでいた家があります。写真を撮っていたら、ちょうどその家のドアから出てきたおじさんに"Bonjour, la belle!"と話しかけられました(照)。ここに住んでいるんですかと聞くと、友人の家だけどバカンスに行ってる間だけ借りてる、んだそう。

ここからふもとに降りてピガールの裏の“黒猫”(サティがピアノを弾いていたキャバレー)まで通うのはちょうどいいお散歩だったろうな〜とか考えながら、こちらもお散歩。ちょっと寒いぐらいだったけど、朝もやに包まれたこのエリアを歩いていると、土地がもつ不思議な力を感じます。

フランスに行くと絶対してしまうことのなかにカフェで朝ごはんを食べること、エスカルゴを食べること、クスクスを食べること…(食べることばっかり!)といろいろあるけど、後はCDを買うことも。フランスに限らず旅行に行くと、そこの音楽を聞いてみたくていつも悩みつつ買うのだけど、ジャケ買いして失敗することも一度ならず。でも今は強〜い味方が。

今年の初夏に出たばかりの『世界は音楽でできている』全2巻(音楽出版社)。世界中のポップス音楽を網羅しつつ、おすすめCDが解説付きでわかるスグレモノ。地域からも名前からも調べられるので辞書のようでもあり、チェコやフランスはもちろんのこと、まだ未踏の場所の音楽のことをわくわくしながら読んでいます。
監修は、掘り出し物音楽を世界中から探してきてオン・エアしているNHKラジオ『ワールドミュージックタイム』のDJでおなじみの北中正和さん。

ちなみに少し前に出たこちらの本は、チェコに関してはもっと詳しく、いろんなアーティストやバンドをとりあげています。

ついでに…北中さんが選曲したこのコンピは6年前のものながら、今聴いてもホントにいい。有名なイヴァ・ビトヴァー(Iva Bittová)&イダ・ケラロヴァー(Ida Kelarová)姉妹はじめヴィエラ・ビーラー(Věra Bílá)などのチェコのロム・ポップ、モラヴィア・フォークがルーツの実力派、イジー・パヴリツァ(Jiří Pavlica)率いるフラディシュチャン(Hradišt'an)、そのほかチェコのジャズやチェコ語のブルースまで聞ける、ヴァラエティにとんだエヴァーグリーンな1枚。

チェコ ポップミュージックへの誘い』(RICE, 2001, LTR-527)
よくクラシック以外でチェコのおすすめ音楽はありますか、と聞かれるけど、チェコで買えないんだけど(笑)これが何と言っても一押し。一番好きな曲は日本のyaz-kazとイジー・パヴリツァ合作のwaka(和歌)。