ラドゥーザ(Radůza)のライヴ

Radůzaの歌詞がとても好き


ホスポダに入ると、まだスヴァジャーク(svařák=ホットワイン)じゃなくピヴォ(pivo=ビール)を頼んでいるけれど、朝晩ぐーっと冷えるようになったプラハ。朝家を出るとき気温3度で白い息とかってザラなので、今から訪れようという方は日本の冬を想定して洋服選びを。

寒いのはつらいけれど、空気が澄むのか夜景が美しく見える季節でもあります。

旧市街広場を望む聖ミクラーシュ教会と、すぐ横のカフカの生家跡を馬車が通りすぎていきます。カツカツカツ…という馬蹄の音を聞いていると中世にいるかような気分に。

さて、今晩はここからすぐのプラハ市立図書館ホールで行われたラドゥーザ(Radůza)のライヴへ。
彼女のライヴへ行くのはこれで3回目なのですが、人気なのにあんまりライヴをやらないせいか毎回売り切れ。
ストリートミュージシャン出身ながら、プラハコンセルヴァトワールで学んだ変り種、その七変化な歌声とヴァラエティに富んだ音楽性、語学マニアもビックリの多言語歌詞を操る彼女はチェコでもかなり面白い存在。そして何と言っても母国語のチェコ語の歌詞の巧みさと繊細さが、幅広い世代のチェコ人ファンを魅了しているよう。

チェコの売れっ子映画監督、ヤン・フジェベイク(Jan Hřebejk)監督の『Kráska v nesnazích』(Beauty in Difficulties/Troubles、2004)にトレードマークのアコーデオンを引っさげて女優デビューも。

チェコのフォークやロックの実力派歌手たちが出演してきた歴史あるバルビノヴァ・カフェで定期的にライヴをやってた彼女、いつも満席御礼で"バルビンカの女王”と呼ばれていました。こないだ別のグループのライヴに行った時たまたまカフェの入口で写真発見。

中はフジェベイク監督の映画の中で、アンナ・ガイスレロヴァー(Anna Geislerová)がデートしてるシーンでも出てきました。店内のインテリアもまるでアンティークショップのようなレトロな雰囲気たっぷりのカフェ兼ライヴハウス


今までに5枚のアルバムが出ていますが、その中でもすっごく売れた3枚目『V Hoře』(ヴ・ホジェ=In a Mountain)は今夏キングレコードより日本盤も出ました。『世界の女神(ディーヴァ)たち』全20巻のうちのひとつ。この日本盤に添える歌詞の解説などを書かせてもらったのですが、スペースの都合上、歌詞を要訳しなきゃならず悩んで白髪が増えたような。。。あ、そういうコトじゃなくて…お忙しいところ根気強く助けてくださった監修の北中さん、そして普段は私のチェコ語に関する質問にかなりテキトーな応対(笑)の旦那もこのときばかりは真摯な協力をしてくれて、両氏がいなければどうにもならなかったところ。それから何度もFAXを送ってくださったキングレコードの吉岡さん、この場を借りて感謝申し上げます。他に若いネイティヴの貴重な意見を教えてくれた同僚のミキさんやヤルダ君(→宇多田ヒカルの大ファン)にもmoc děkuju!!

ライヴ前に楽屋を訪ね、日本盤を渡したらとても喜んでくれました。今年6月にお母さんになった彼女、ちょっとふっくらとしてましたが旦那様と赤ちゃんも一緒に来てて、シアワセそのもの。いろいろ質問したかったのに、逆に彼女から“オトコノコ”ってどういう意味?と聞かれていったい??? なんでもお子さんと一緒のときに日本人女性から言われたのを覚えてたんだとか。“chlapeček”の意味です、と答えると満足げに目を輝かせるラドゥーザ。語学マニアの片鱗を見ました。そのうち日本語歌詞でも歌う日がやってくるかも。。。