リアル東欧雑貨

チェコの70年代おもちゃはセンス抜群


手袋がほしい!って思うほど寒かった今日。プラハはもう日本的に言って真冬です。風が冷たいのなんの。そんななか、仕事帰りに超ラヴリー(→もう誰も日本で使っていなさそうだけど他に思いつかず…)な展示会へ行ってきました。

のだめカンタービレ』でおなじみ、チェコフィルの本拠地であるルドルフィヌムの前に、Vysoká škola umělecko-průmyslová v Praze、通称ウンプルムという美術(建築・デザインも含む)大学があります。ヴルタヴァ川沿いの伝統ある校舎、入口はルドルフィヌム正面と向かい合わせ。

ココで今やってる“フサーク時代の3+1アパートカルチャー70s”(Husákovo 3+1 Bytová kultura 70.let)という展示会は東欧雑貨フリークにはもうたまらないラインナップ。

ユニークなのは、その展示の仕方。時は「プラハの春」がワルシャワ条約機構軍によって今日のような寒い冬に逆戻りした時代。チェコスロヴァキアのとあるパネラークの3Kの一室に小学校と幼稚園に通う二人の子供をもつ家族が住んでいる…。そこへお邪魔したような展示会なのです。というわけで今回はrybičkaと一緒にめくるめく東欧雑貨めぐりにお付き合いください。

入ってすぐの子供部屋には、ウチの旦那が持ってたのと同じものがたくさん。

「ああこれ、覚えてる。砂場でこれで遊んでた…」という旦那。その頃はきっとすごくかわいかったことでしょうね…(ため息)。

旦那もやはり愛読してた絵本。

本棚に掛かっているのはヨゼフ・ラダのカレンダー。

まんま縮小したようなリアルなおままごとセット。

こじんまりとした2段ベッドには年甲斐もなくほしくなってしまうようなかわいいぬいぐるみたちが。

乳母車(ベビーカーよりこっちのほうがしっくりくる)に寝かされた人形達は長くて豊かな睫毛が超ラヴリー。


文字盤が見やすい壁掛け時計。

当時のブロック。進んだ工業国だったことがうかがえる一品。


鞄のデザインも色も凝ってて、ステキ。復活モデル作ってほしいな。

リビングでは、訪れた人がくつろいで当時の雑誌などを見れるような心にくい演出。

コミュニズム時代はあまり質のいい衣料品がなかったせいでしょうか、裁縫雑誌が充実。


刺繍なんて学校でやったぐらいしか経験ないけど、な、なんてかわいい絵柄なんでしょう!

ソファに座ってテレビも見れます。

これがまたやってる番組が当時のもの、という行き届いた演出。もちろん白黒。
テレビゾル、と呼びたくなります。上にのっかってる瓶はチェコのワイン。

これも旦那が持ってるのと同じプレーヤー。

電話器と郵便番号帳。コミュニズム時代っぽいデザインだけど、たかだか番号帳ごときになかなか洒落てるでしょ。

昔のお札も。スロヴァキア語と思われる表記が。

テーブルの上には炭酸水用ポットといい感じにくたびれてるアンティークグラス。

でもここのハイライトはなんといってもキッチン周り。実際にリアルタイムで使ってたものがいっぱいある旦那世代以上のチェコ人は懐かしそうに、そして若い人たち「あ〜、これこれ、これもバビチカんとこにあった〜」などと嬉しそうに見ていました。バビチカ(babička)はチェコ語でおばあさん。

色違いだけどウチにもあります(まだ現役)。

これが炭酸のもと。箱のデザインもいい〜。

日本じゃあんまり見ないソーセージ缶、色合いがレトロな感じ。隣は板チョコ。

ジャムの瓶もかわいい。

小麦粉入れ。チェコ料理では、スープにブランボラークにお肉料理のソースに、と何かとよく使います。

これは、はかり。ウチにも色違いがあります。これもまだ現役。

水と薄めて飲む甘いシロップ。なぜかどこのチェコのおたくに行っても、このシロップの定位置は台所の流しのところと決まってるかのように、ここでも。お料理や洗い物しながら主婦が一杯やるシロモノなのかも。私はめったに飲みませんが、ウチにももちろん定位置に置いてあります。

レトロなダイニングテーブル。その上には…

ロフリーク(rohlíky)。チェコでは今でも定番の軽い白パン。スーパーでこれを10個とか袋に詰めて買ってるチェコ人を毎日のように見かけます。

ドアもまったくウチと同じ(苦笑)。計画生産で1メーカーだけだったのかしら。

トイレに置いてあった当時のペーパー。…わら半紙のような懐紙のような…(怖)

玄関には靴磨きセット。

雰囲気たっぷりの旅行トランク。でも当時行くことが許された外国は東側ブロックだけでした。

来週月曜日(10/22)までやってます。チェコならではの展示会、もしプラハにいらっしゃるならオススメ。アンティークショップのようにモノを買うことはできないけれど、巧みに当時が再現されたアパートは一見の価値あり。まさに映画『グッバイ・レーニン!』の世界なのです。

“Husákovo 3+1 Bytová kultura 70.let”
住所:náměstí Jana Palacha, Praha 1
URL:http://www.husakovo.net