ヤン・フジェベイク監督次作品に映る（かも？）！
スカンジナビアをやれ先進国だの洗練だのと褒めちぎられ少々イジケ気味の旦那サマ、そして「はやくチェコの話題書けよ」とお思いのチェコファンの皆様、お待たせしました。やっとチェコの話題、それも現地お届けならではの新鮮なやつをひとつ。
といっても2週間前の話ですが、今をときめくチェコの若手監督代表、ヤン･フジェベイク（Jan Hřebejk）監督の次作品『medvídek』の撮影に行ってきました。来秋公開予定のこの最新作、季節が４つにまたがるため、この夏を逃すと公開予定に間に合わなくなるというので、前作から間もないのにすぐに撮影に取り掛かったとのこと。
場所はプラハ城の西に位置するブジェヴノフスキー修道院（Břevnovský Klášter)。旦那ママが持ってきたこの話、映画内コンサートのシーンで国際色豊かな観客がほしい、ということでエキストラ要員として友人ふたりと共にこの古い修道院へ。
前にここのレストラン（ちなみに本格的な昔風豚肉料理などがいただけてオススメです）へ来たことがありましたが、建物の中を見るのは初めて。
コーヒー、紅茶、ミネラルウォーターのサービスもある更衣室。ここで“コンサートに来てる風な格好”に各自着替えます。
出番待ちのエキストラのみなさん。
衣装はもちろん自前ですが、ホントのコンサート会場みたいでしょう？ ここが本日メインの撮影現場、カメラの位置決めやら俳優さんのセリフ直しなんかがあってエキストラは待つほうが長いかも。トランプ(マリアーシュ）をやってる人たちもいます。オセロ持ってくればよかった（笑）。
この格好でこの隙に寝てるツワモノもいます。
チェコのピアノはやっぱりペトロフ。
合間に建物中を散策。すばらしい天井。
コンサートの幕間、サロンでシャンパン、のシーンも撮ります。でもエキストラのシャンパンはりんごジュース（泡がない…）。
偽チケットは完璧。
撮影は朝１０時集合で夕方６時までかかりました。スタッフから「おやつ、持ってきてね」と言われていましたが、飲み物以外にもジャガイモのスープ（チェコならでは？）とサンドイッチの差し入れがありました。
サインを頼みたかったけど、忙しそうな監督についに声をかけられず…。でも１ｍと離れていないとこで、フジェベイク監督が、“kamera！ jdeme(=Let's go)！”と仕切る緊張の一瞬に居合わせたことで胸が一杯。。。いろんな角度から試したり、俳優さんがちょこっとＮＧも出したりしてテイク５ぐらい撮ったでしょうか。
そして強烈なインパクトだったのは、最初どこのおじさん？と思ってたヒトが、メイクさんだったのでした。腰にティッシュ完備。
この話をもらったときに、「他の日本人のお友達も知ってたら連れてきて」と言うので迷わず、プラハのミフネ（旦那が彼をこう呼ぶ）氏に打診。チェコ語の学校で一緒だった彼、最初の登録日からキモノで現れ、「な、なんてあざとい日本人がいるものかしらっ！」と思ったのですが、それは大きな間違いで、剣術も和裁もたしなむ彼は本物のサムライだったのです。。。奥さんのチェコ好きにひきずられ（？）一緒に留学しちゃった素敵なカップル。
撮影のこの時ももちろん着慣れた着物姿で、後で制作さんが「監督が大喜びだった」と絶賛。彼のおかげで他のエキストラさんたちよりちょっとギャラをはずんでくれた監督！ 我らがミフネに感謝です。
９月に入ってすぐ、監督のこのひとつ前の作品、カルロヴィ・ヴァリ映画祭でプレミアした『kráska v nesnázích』（英語で言えば Beauty in Difficulties/Troublesってなかんじ)がプラハの映画館にお目見えしますので、今回の映画の内容についてはそのときにまた。。。監督得意の“tragikomedie”（悲劇のような喜劇）で、ウッディ･アレンの『ハンナとその姉妹』（『Hannah and Her Sisters (1986)』）のような感じ、とだけ言っておきます。
今回の撮影場所でもあり、センターからも遠くない（トラムで30分ぐらい）この修道院のデータを載せておきます。993年に建てられたチェコで最初の男性修道院。広い庭に鴨がの〜んびりくつろいでいる池があって、プラハ住人のちょっとしたお散歩場所としても人気。
☆Břevnovský Klášter （ブジェヴノフスキー・クラーシュテル）のデータ
・住所：Markétská 1/28, Praha 6
・行き方：トラム１５，２２，２５番で同名の駅で下車。大きい修道院なのでトラムを降りたらすぐわかります。
・見学できる時間
夏期…土日のみ、10:00,14:00,16:00 冬期…土日のみ、10:00,14:00 庭…土日のみ、6:30-19:00
・入場料：大人…50kc、学生…30kc
