『レマゲン鉄橋』ロケ地Davleにて

戦争映画の名作のひとつ


プラハはすこぶる快適な秋晴れ、いわゆるbabí léto(バビー・レート)が続いています。直訳はおばあちゃんの夏、夏の終わりの、暖かな日のことをチェコ語ではこう言うそう。
お出掛けするにはもってこいの週末、プラハからヴルタヴァ川沿いに少し南に行ったDavle(ダヴレ)という街まで電車で行きました。

プラハにはいくつか電車の駅があります。プラハ中央駅(Praha Hlavní nádraží)、マサリク駅(Masarykovo nádraží)、ホレショヴィツェ駅(Nádraží Holešovice)、スミーホフ駅(Smíchovské nádraží)などなど。でも今回は中でもマイナーな、プラハ・ブラニーク駅(Braník)から出発です。

朝早かったので、駅併設のホスポダ(居酒屋)でクライダ(kulajda)スープを頼みました。

きのこと卵のやさしい味。

電車を待つ間、コーヒーでおしゃべりするチェコ人たち。でもチェコでは朝からビール、ということもしょっちゅう。なんせビール=飲むパン、という考え方の人たちですのでね…。

駅はいたって簡素。線路をまたいで電車に乗り込みます。

ヴルタヴァ川沿いに車窓を楽しむこと30分、ダヴレ(Davle)の街に着くと、もう準備が始まっていました。


そう、見ての通り戦争イベントです。

ここダヴレの街は、戦争映画に詳しい方ならおそらくご存知の『レマゲン鉄橋』(『The Bridge at Remagen』, 1969, USA, John Guillermin)のロケ現場だったのです。

1945年、西部戦線ドイツvs.アメリカ率いる連合軍との攻防でライン川最後の橋となったレマゲン(Remagen)橋が舞台。このダヴレのヴルタヴァ川に架かる橋がよく似ているということ、周りの建物を映画のために破壊してもいい(!)という許可を当時のチェコスロヴァキア政府から得られたので撮影場所として選ばれたようです。というのもこの街の多くの建物が撮影当時、再開発地域だったということらしいのですが。。。

>>“Most u Remagenu”starý most v Davli byl postaven v roce 1905. V roce 1968 posloužil jako kulisa k nafilmování válečného příběhu podle skutečné události “Most u Remagenu”. V posledních letech se stává mistem setkání Vehicle Clubu WWⅡ<<
ダヴレにある古い橋、いわゆる“レマゲン橋”は1905年に作られました。1968年には、レマゲン橋での実話による戦争映画の背景撮影に使われました。最近は“WWⅡ戦車同好会”の会合に使われています。

というわけで今日は実際にロケらしきことを地元住民やこの同好会メンバーでやってみましょうというお祭り。

深緑色の鉄橋の上を、バッチリ衣装を決めたドイツ軍あるいは連合軍に扮したチェコ人たちが行きかいます。

ビール片手に見学の人もいっぱい。

でもお祭りなので、おいしそうなものもいっぱい。

チェコのバーベキューは、これでもかっていうぐらいお肉オンリー。

そしておなじみのブランボラーク(bramborák)。にんにくの効いたじゃがいもお好み焼き。屋台でも街のお惣菜屋さんでも定番です。

本格的な“撮影”が始まるまでダヴレの街を散策していて見つけたもの…。

こんな小さな街にも空手教室がある!

八百屋さんでは、フェフェロンキィ(feferonky)が売られています。丸くて果物みたいだけど気をつけて! 辛〜いチリペッパーのひとつ。
お肉屋さんの“共産党政権時代”的(→by旦那)行列。。。

それにしても景色が見事に映って鏡のようなヴルタヴァ川。

しばらくすると銃撃戦の撮影が始まり、音も煙もなかなかの迫力。

帰りは秋の花を愛でつつ、プラハ・スミーホフ駅までバスで帰ります。
ひまわりのように大きいコスモス。

名前がわからないけど可憐な白い花。

ピンクの色が美しいあざみも。