プラハのレトロ名画座

okoって何でしょう?


すっかり秋のよそおいに変身したプラハ、暖かい屋内でビールを飲みながら(…結局飲むわけね)映画、がぴったりな季節になりました。

近所にある名画座、オコ(Oko)は、そのレトロな雰囲気といい、お楽しみ箱的プログラムといい、チェコがこの先どんなに近代化したとしてもゼッタイになくなってほしくない、私にとって大切な映画館のひとつ。

土日の昼間は子供向けのアニメや映画、普段は毎晩18時半からと21時から、休み前の金曜や土曜は23時半からの回もあり、日替わりでチェコ内外のいい映画が見られます。入場料は映画にもよるけれど、中心のイマドキ映画館が大人159kcする昨今で、99kcとお値打ち価格。犬も見に来てます(笑)。

プログラムはヴァラエティに富んでいます。ロードショーもの(例えば『ダ・ヴィンチ・コード』のような)もかかるかと思えば、チェコの最新ヒット映画、それから世界各国から集めた映画。。。アジアものもプラハ市内で一番の品揃えと思われます。最近では韓国のキム・キ・ドク監督シリーズをやってました。一見節操がないようなラインナップですが、選んでる人の視点がちゃんと感じられる信用のおける映画館なのです。だから“oko”(=チェコ語で目の意味)なのかな。

音楽ドキュメンタリーものもここの十八番。うんと昔の映画(例えば『カサブランカ』)、ちょっと昔の映画(例えば『未来世紀ブラジル』)も程よく混ざり、毎月プログラムを開くのが本当に楽しみ。

http://biooko.cz

最近見たのはニック・ケイヴ(Nick Cave)のドキュメンタリー・フィルム。その上映のあとはステージで地元バンドのトリビュート?ライヴがあって、意外に若いお客さんが詰めかけ、普段では考えられない熱気! おおいに盛り上がったのでした。

去年、カンヌ映画祭「ある視点」で紹介されたスペイン・フランス・キューバ合作映画、『ハバナ・ブルース』(Havana Blues, 2005, Benito Zambrano)も最近ここで見た印象的な映画。悲しい現実があってもキューバと家族と音楽への愛にあふれている映画。。。

http://www.abc-distribution.be/abc/fr/redactie/nieuws/havana%20blues/havana%20blues.htm

インテリアは木がふんだんに使われ、名画座なのにステージもあって広いのです。旦那の子供時代から、共産主義時代を生き抜いて、レトロな雰囲気を今も残しています。

外国映画のチェコ語タイトルがまだ一般的じゃなかった頃は、このステージで同時通訳の人がリアルタイムで通訳をしてるのを聞きながら見たんだとか。そんなふうに映画を見たことがないので、どんな感じか一度試してみたいですが。。。

2F(こっちでいう1F)にある小さなカフェ・バーにはゆったりソファがあって、上映前のひととき、わくわくしながらグラスを傾けるのもまたよし。

これから夜が長くなります。