闘うヤポンカ 〜Slepice, sit down!〜

今や好々爺といった印象のJB


日本で行きそびれていたJBのコンサートへ行ってきました。
旦那と友人夫婦でインド料理屋さんで早めのディナーをした後、近所のT−Mobil Arenaへ。
プラハのこういうコンサートは、たいてい20時開演なのですが、さすがはソウルの帝王ともなると、そう簡単には登場しません。二つの前座バンドが21時過ぎにやっと終わったと思ったら、JBバンドが登場して、蝶ネクタイの司会のおじさまが出てくるまでにさらに15分、やっとやっと21時半をまわったあたりで、ソウルダイナマイト〜!JB! JB!という舞台&観客席の合唱をバックにご本人ゆっくり登場。長かった…。
日本で見たゲロッパ!CMのこってりイメージとは違って、まぁ衣装はキラキラしてるし、司会のおじさまもこてこてでまるで“ソウル・トレイン”を見ているような演出なのだけど、JBは若い有能なミュージシャンをどんどん前に出さなきゃ、と思っているようで、横に佇んで温かい目でバンドのメンバーにソロを長々とやらせて、ちょこっとハモったり、キーボードを触ってみたり、と完全に好々爺のかんじ。

でもその声は健在だし、ダンスもステキ。なんてかわいらしい73歳なのかしら、と感動しているところへ。。。

でかいチェコ人女×3が視界を阻み、み・え・な・い!!

私たちはアリーナ席からすぐの、段々席が始まっている2列目に座っていました。ソウルダイナマイトのショウだし、楽しくちょっとぐらい席を離れて踊ったっていいでしょう。でもね、思い切りメロウな曲や静かにじっくり声を楽しむ曲のときも、通路(アリーナ席よりはかなり高くなっている。もちろんここは誰の席でもなし)に立ちっぱなしとは、どういうことだと憤慨していたら、案の定横のおじさまたち(こちらもJBと同年代とおぼしき、定年をはるかに超えたファンの方々)が、立っている前の女性たちに「見えないから、座ってください」と声を掛けました。でもこの人たちは、その通路に立っている非常識な3人組みのせいで見えないから立っているわけで、座ったら見えなくなってしまうから、このお願いを無視して立ち続ける。で、私はその後ろにいたので、やはり見えないし、私の後ろも扇状に人が立っているという悪循環。
もんもんとすること3曲分。その間、あまりファンキーな曲はやらず、ずっと静かに座って聞くようなのばかり。モニターはあるものの、彼女たち3人組が自分の席に戻りさえすれば、実際によく見える席なのに。。。
彼女たちは全く動く気配を見せないので、痺れを切らし、横の旦那にこう言ってみる。「ね、ちょっとあまりにも見えなくてイヤだから、どいて、って言ってこようと思うんだけど、どう思う?」
旦那はゼッタイいやな時は「やめて!」と言うのだけど、今回は自分も見えなくて頭にきてたのでしょう、いいんじゃない?とのこと。よし、と決心し、席をすっくと立ち、通路まで降りて彼女たちに近づき、英語で言ってみました。“Because of your standing here, many people can not see the show. Please sit down or get out of here!"
しかし、「…なにこの人、バカじゃない?」みたいな見下した目でみる3人。こっちも負けずに睨み返し、5秒ぐらい無言の戦い(笑)。そして2人はすごすご帰りました(もちろん謝ったりはゼッタイにしません)。よし。でももうひとり(これが一番デカイっていうのに…)は頑としてどかず。横にボーイフレンドも来て強気。
ここでいつまでも私がいても、私までジャマになってしまうといったん自分の席に帰りました。でも負けたワケじゃありませんからねっ。席に戻ってからも、背後から“Sit down!”と機を見ては言いつづけるも無視、相手も相当の神経のようです。完全に頭にきたので、言ってやりました。“Sit down, SLEPICE!!”…そう、SLEPICE(スレピツェ)とは、めんどりのことですが、まぁバカ女!(笑)みたいな実もフタもないような言葉。
これを機に周りも反応。すぐその後に空のペットボトルが彼女めがけて飛んできました。これは旦那のしわざ(笑)。追い討ちをかけるように、今度は“Ty kraaaavo!!"との声援が(旦那友のしわざ)。kráva(クラーヴァ)を呼ぶときにクラーヴォと変化するのですが、これは“牛”の意味。女性に向かって言うと完全に悪口。
そして私の関係者以外にも(笑)周りのチェコ人たちが彼女に向かって異口同音に次々、Sedni si!(セドゥニ シ!=座れ!)と言いはじめたではありませんか。さすがにヘンなヤポンカ(日本女性)だけが言ってるワケではないということに気がついた彼女は振り返り、痛い視線をまともに浴びたため、とうとうギヴ。ボーイフレンドとともに退散しました。こちらは思わずガッツポーズ!
視界が開けて快適! なんて書くとモーレツヒステリー女みたいですが(まぁそうとも言うかもしれませんけど…、大体こんな事態は日本ではまずありえないのだから、我慢してると心身ともに不健康になりそうな気がして)、結局こういうことを我慢しがちなチェコ人たちも、誰かが言いだしてその通りだと思えば応援してくれるんだとわかって、少し嬉しかった夜でした。

ま、こんなオチも何なので、この日ライヴ前に私たちが行ったおいしいインド・カレー屋さんでも紹介して筆を置きたいと思います。写真はエビカレー。

トラム15,22,25番のU Kaštanu(ウ・カシュタヌ)停留所前にあるTandoorというレストラン。店内は狭いので、予約したほうが確実かも。デリバリーやテイクアウトもできます。
営業時間:月〜金11−23時、土12−23時、日17−23時
住所:Konecchlumského 7, Břevnov, Praha 6
電話:608-701-341, 775-325-766