イジー・メンツェル監督『英国王 給仕人に乾杯!』ついに日本上陸!Vol.1

12月日比谷シャンテシネにて公開。


2ヶ月近くご無沙汰してしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ブログの更新はおろか、衣替えすらままなっていないあいだに、秋も深まるプラハの木々たちはすっかり衣替えしております。


プラハ城の周りも、ヴルタヴァ川の周りも、黄色やオレンジや茶色ときどき赤で縁取られ、絵のような美しさ。先日お散歩したヴルタヴァ川に浮かぶストシェレツキー・オストロフ(射撃島)の黄葉の様子を少し。


カレル橋からひとつ上流に架かる橋、レギイー橋から降りていける射撃島は、夏の夜は青空映画館で賑わう場所。でもこの季節は喧騒をさけたいカップルと釣り人、それに水鳥たちが静かに佇んでいるのみ。




木々の間からかすむカレル橋が見えるでしょうか。この島からのカレル橋の風景は、ちょうどヴルタヴァ川の真ん中から見るような感じになってこれまたいいのです。

向こう岸に見えるのは、黄金の礼拝堂の異名を持つ国民劇場の建物。

ペトシーンの丘で見つけたたわわに実をつけたローズヒップ。これを乾燥させればビタミンCたっぷりのローズヒップティーになります。

小さなワイン畑にも秋の彩り。

さて、こんな秋真っ盛りのプラハに、日本から、とあるミッションのため3日間だけという強硬スケジュールでいらっしゃったこのお方。

文字通り世界中を飛び廻り、世界の監督、俳優さんたちから面白いお話を引き出す名インタヴュアー、佐藤友紀さん。で、今回のインタヴューのお相手は、南ボヘミア、チェスケー・ブディエヨヴィツェの劇場でリハーサル中。。。ということで友紀さんが現地へ赴くことに。劇場前になぜかあった林檎山積みトラックの前でパチリ。
そのインタヴュー相手とは、イジー・メンツェル(Jiří MENZEL)監督。

写真左がメンツェル監督、右はセマフォル劇場のイジー・スヒィ(Jiří SUCHY)氏。今年3月、プラハのとあるクラブでのイベント時のもの。

最新作の「Obsluhoval jsem anglického krále」(I Served the King of England/『英国王 給仕人に乾杯!』)で2007年のチェコ映画の最高賞であるチェコ・ライオン賞(日本アカデミー賞のような感じ)をもらったイジー・メンツェル監督。プラハでのプレミアの時にここでも書きましたが、なんと、今年12月からお正月にかけて日本でも公開が決定しました(日比谷シャンテ・シネにて)。

メンツェル監督は、弱冠28歳のときに『厳重に監視された列車』でオスカーをもらっているチェコでは知らない人はいない名監督。フランス・ヌーヴェルヴァーグに続くチェコ国内の60年代ヌーヴェル・ヴァーグを牽引したひとり、若いときから俳優としても活躍、演劇作品の監督なども引く手あまたで70歳の現在も現役バリバリ、という人。

この映画、ベルリン映画祭でも賞をもらったし、見ごたえのある作品なのに重くなく、うっとりと色っぽいシーンや笑えるシーン満載。とてもチェコっぽい(そこがいいのだけれど)、でもチェコっぽすぎて日本公開はされないかも、と半分あきらめていたのですが、公開が決まり、日本語字幕で見られるのが嬉しい。配給元のフランス映画社さんに感謝です。

前置きが長すぎたため(だって溜まってた黄葉写真アップしたいんだもの!)、続きはVol.2にて近日公開!
短い時間によくもここまで、と感動しまくりの友紀さんインタヴューの内容は、映画プログラムや雑誌に載るのを楽しみに待つとして、プラハでの映画のロケ地、関連場所などについて追って書きたいと思います。

プラハ在住の皆様も、年末年始一時帰国されるという方には強力にオススメの映画です♪