フジェベイク監督のワインバー“Bokovka”

ロゼもグラスでいただけます


チェコで今をときめく若手監督、ヤン・フジェベイク(Jan Hřebejk)監督がオーナーのひとり、というワインバーがプラハにあります。その名も“Bokovka"(ボコフカ)、英語では“Sideways"のことだと言えば、ピンと来る方もいらっしゃるでしょう。

映画『サイドウェイ』(Sideways, Alexander Payne, 2004)は、たいして有名な俳優さんが出てもいないのに、2004年のオスカー脚色賞はじめ、あちこちの映画祭で賞を取りまくったロードムービー。離婚を引きずってるワインおたくの中年国語教師が、マイナー俳優である友人の結婚式前にカリフォルニアのワイン生産家を訪ねる男二人小旅行を計画。対照的なこの二人の珍道中に加え、見どころはワインのウンチクらしいのですが、ウンチクはよくわからない私には、強烈なキャラのサンドラ・オーの印象ばかりが残っている映画。


それはさておき、モラヴィアはともかくプラハでおいしいワインに偶然出会うことはそんなに簡単ではありません。圧倒的にビール文化のチェコ、うっかりホスポダでワインを頼み、ぎょっとするような味だった、ということも1度ならず。基本的に“ワイン飲みたきゃホスポダ入るな、ホスポダ入ったらワイン頼むな”なのですが、最近めっきり増えてきたのがワインバーを意味するヴィナールナ(Vinárna)。

旦那は多くのチェコ人同様、お稽古事のごとく毎週古くからの友人とホスポダ(大体いつも同じところ)に集まっているのですが、ワイン好きも中にいて、たまに場所がワインバーになることも。ワインはそんなに好きじゃない旦那もしぶしぶ(笑)行ってるようですが、珍しく自分から、フジェベイク監督ファンの私に面白いだろうと連れて行ってくれたのが、この“Bokovka"だったというわけ。


ボトルだと種類を楽しめないので、まずはグラスワインを赤、白、ロゼと制覇。どれもとてもおいしくて、さらにお任せで頼んだチーズも、青かびチーズにはちゃんと蜂蜜が添えてあるし、大好物のヤギチーズもフランス顔負け。またゼッタイ行こうと決めたのでした。プラハのEnglish Speakers御用達の本屋カフェ、グローブのすぐ並びにありながら、英語メニューを置いてない頑固さも、観光地プラハの地元ワインファンにはポイントなのかも。グラスワインは40kč(約240円)から。


ボトルではオーナー各氏のおススメもあって、ちょっとずつ味見したいところ。
フジェベイク監督のほか、有名な写真家トノ・スタノ(Tono Stano)氏など、6人の共同経営で、彼らがサービスする日もあるようです。

☆Bokovka☆
住所:Pštrosova 8, Open:日ー木16-25時, 金ー土16-27時